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【専門医解説】血便が「1回だけ」で止まったら?鮮血・痛くない出血の原因と、様子見のリスク

大腸  / 血便

【おなかとおしりの相談窓口】
西八王子やまたか消化器内視鏡クリニック(やまクリ)ブログです。


【まず結論です】(迷ったらここだけ)

  • 血便は「1回だけ」でも相談の価値があります。止まった=治った、ではありません

  • 鮮血(赤い血)でも、痔だけとは限りません。直腸〜S状結腸の病気でも鮮血になります

  • 痛くない出血は、いぼ痔(内痔核)でも起こります。同時にポリープや大腸がんでも初期は痛みが出ません=自己判断が危険です

  • 40歳以上/便潜血陽性/繰り返す血便は、特に早めの相談がおすすめです

  • 強い腹痛・黒色便・大量出血などは「緊急」です。迷わず早めに医療機関(救急含む)へ

「1回だけだし…」と思っても、まずはご相談ください

症状や状況を伺い、検査が必要かどうかを一緒に整理します。診察だけでも大丈夫です。

※鎮静剤を使用する検査では当日の運転はできません。公共交通機関または送迎でお越しください。

トイレのあと、ティッシュや便器に
鮮やかな赤い血(鮮血)がついていて、
心臓がドキッとした——。
でも次の日は出ない。

「血便が1回だけで止まったし、大丈夫かな」
「痛みもないし、痔かも」
「忙しいし、また出たら行こう」

…そう思って検索している方も多いのではないでしょうか。

その気持ち、よく分かります。

血便は怖いですし、
できれば「大したことない」で
済ませたいですよね。

ただ、私の経験からお伝えしたいのは、
「1回だけで止まった血便」こそ、
確認する価値が高い

ということです。

“何もなければ安心”ですし、
もし原因が見つかれば
早いほど治療の選択肢が広がります

血便が1回だけでも相談した方がいい理由

血便が1回だけで止まると、
「もう大丈夫」と思いたくなります。

ですが、医療の現場では
「たまたま今日は出血しなかっただけ」
ということも珍しくありません。

いちばん大切なのは、
“原因を決めつけないこと”です。

「痔っぽい気がする」
「痛くないから大丈夫そう」
そう感じていても、奥に別の原因が隠れていることがあります。

だからこそ当院では、
まず診察で状況を整理し、
必要なら内視鏡(大腸カメラ)を提案
してます。

なぜ「1回だけ」で止まるの?

血便というと
「どこかが切れて出血して、
その傷が治れば止まる」
と思いがちです。

もちろん
切れ痔などではそういうこともあります。

ただ、腸の中(直腸〜大腸)の出血は、
毎日続くとは限りません

ここをイメージしやすくするために、
あえて皮膚の傷に例えると——

「かさぶた」のイメージ

便が通るときに、ポリープなどの表面がこすれて一度出血することがあります。
その後、皮膚の傷と同じように「かさぶた」のような状態になれば、見た目の出血は止まります。

しかし、原因(ポリープなど)が治ったわけではありません。次の便で“かさぶた”がはがれれば、また出血します。
この「間隔」が数週間〜数ヶ月空くこともあり、その間に病気が進行してしまうことがあります。

 

だからこそ、
「止まったから様子見」

「しばらくして再出血」
という流れを外来でよくお聞きします。

 

「鮮血=痔」と決めつけないでください

「赤い血だから、出口(肛門)の痔だろう」
——この自己判断はとても多いです。

しかし、
肛門に近い場所(直腸〜S状結腸)に
原因があれば、
大腸の病気でも鮮血になります

つまり、
血の色だけでは判断できません

また、痔がある方ほど
「今回も痔だろう」
と決めつけやすいのですが、
痔と別の原因が同時にある
こともあります。

「痔がある=それだけが原因」
とは言い切れません。

 

「痛くない=痔」とは限らない
(内痔核も/ポリープも)

ここはとても大事なので、
丁寧にお伝えします。

痛くない出血は、
いぼ痔(内痔核)でも起こります。

一方で、
大腸がんやポリープからの出血も、
初期は痛みがありません


つまり、
「痛くないから痔だろう」という自己判断は、
がんやポリープを見逃す一番の原因
になってしまうのです。

「痛い/痛くない」で決めるのではなく、
奥に原因がないかを“見て確かめる”ことが、
いちばん確実な安心につながります。

【副院長の経験から】
実際にあったエピソード

私は以前、総合病院などで大腸がんの手術に関わっていました。

その時に「血便がでた」と、来院された60代の方です。

「3年前に血が1回だけ出たけど、痔だと思って様子を見ていました」

受診した時点で病気は進行しており、手術が必要な状態でした。
もし最初の血便のタイミングで大腸カメラを受けていれば、内視鏡だけで完結できた可能性があったかもしれません。

もちろん、血便の原因が「痔」だった、ということもあります。
でも、だからこそ“決めつけずに確認する”ことが大切です。

血便は怖いサインでもありますが、早期発見につながるチャンスのサインでもあります。
「怖さ」や「恥ずかしさ」も含めて、まずはご相談ください。

※個人情報の観点から、一部の情報を修正しております

 

受診目安:◎○△+⚠️でチェック

あなたの状況 受診目安
血便が1回でもあった まずは相談推奨(原因整理)
鮮血(赤い血)+痛みなし 早めに相談(見逃したくないパターン)
便潜血検査で陽性(1回でも) 大腸カメラを検討(精密検査の対象)
血便が繰り返す/量が増えた 早めに受診(優先度高)
便が細い/残便感(出したのにスッキリしない) 早めに受診(併存症状がある)
40歳以上で血便があった 検査も含めて相談を
強い腹痛/ふらつき/真っ黒な便(黒色便)/大量出血 ⚠️ (緊急) 救急受診も含めて急いで対応を

◎:早めに相談(優先度高)/○:相談推奨(原因整理)/△:様子見でもよい場合がある(ただし不安なら相談)/⚠️:緊急(救急受診も含めて早急に対応)

「早めに相談した方がいいかも」と思ったら、まずはご相談ください

検査が必要かどうかは診察で安全に判断します。お急ぎの方はお早めにご予約を。

※鎮静剤を使用する検査では当日の運転はできません。公共交通機関または送迎でお越しください。

やまクリの大腸カメラ
怖さ・不安を減らす工夫

内視鏡検査は
「受けるまで」が
一番ハードルが高い検査です。

当院では、できるだけ負担を減らし、
安心して受けられるよう工夫しています。

  • 鎮静剤:ご希望に応じて使用し、検査中はモニターで安全管理します(「ウトウトしている間に終わった」という体感の方が多いです)
  • 炭酸ガス(CO2):検査後のお腹の張りを軽減します
  • 挿入の工夫:腸を無理に伸ばさないように配慮し、苦痛をできる限り減らします
  • 女性医師による検査:女性の患者様でご希望があれば、女性医師が担当することも可能です(要予約・曜日等はご相談)。「男性医師だと恥ずかしい」という方も遠慮なくご相談ください
  • ポリープ:状態により当日切除が可能です(薬・大きさ・数で判断)

※鎮静剤を使用した場合は当日の運転(車・バイク・自転車)はできません。

 

よくある質問(Q&A)

まずは相談(診察)だけでも大丈夫ですか?

はい。症状や状況を伺い、検査が必要かどうか(優先順位も含めて)ご提案します。

痔があるので、それが原因だと思うのですが…

痔があっても、奥に別の原因があることがあります。「痔がある=それだけが原因」とは言い切れません。

大腸カメラは痛いですか?怖いです…

当院では鎮静剤や炭酸ガスなどで負担を減らす工夫をしています。不安な点は診察で遠慮なくご相談ください。

忙しくて検査の時間が取れません

まずは診察で整理し、必要なら検査枠を先に確保する方法もあります。日程も含めて一緒に相談しましょう。

まとめ:その「1回」を、なかったことにしないで

  • 血便が1回だけでも「出血した事実」には意味があります
  • 鮮血・痛みなしでも、痔だけとは限りません(自己判断が危険)
  • 40歳以上/便潜血陽性/繰り返す血便は特に早めの相談を
  • 強い腹痛・黒色便・大量出血は緊急(救急受診も含めて早急に)

「大げさかな?」と思うくらいで構いません。
「検査が怖い」「恥ずかしい」「忙しい」——その気持ちごと、まずはご相談ください。
やまクリは、あなたの「おなかとおしりの相談窓口」として、丁寧にサポートします。

ご予約・ご相談はこちら

「まずは診察だけ」「検査が必要か相談したい」でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。

※鎮静剤を使用する検査では当日の運転はできません。公共交通機関または送迎でお越しください。

 

記事監修(この記事の執筆者)

西八王子やまたか消化器・内視鏡クリニック 副院長:山高 謙

  • 日本外科学会(外科専門医)
  • 日本消化器内視鏡学会(消化器内視鏡専門医)
  • 日本消化器内視鏡学会(上部消化管内視鏡スクリーニング認定医)
  • 日本消化器内視鏡学会(下部消化管内視鏡スクリーニング認定医)
  • 日本ヘリコバクター学会(H. pylori感染症認定医)
  • 大腸肛門病学会

※本記事は一般的な医療情報と筆者の臨床経験にもとづく見解を含みます。体質や症状により最適な対応は異なります。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。急な強い症状がある場合は救急受診もご検討ください。